吃音の子どもの予後について理解しておくべき理由
吃音の子どもの予後について理解しておく意味
吃音の子どもの予後について理解しておく意味は、吃音を生きる子どものQOL(quality of life:生活の質)の向上につながり、理解しておくことはとても重要です。その改善効果がみられるのです。
さらに、日常生活の質も向上します。日常生活における困難が減らせるようになるからです。さらに、コミュニケーション・スキルも向上します。吃音者でなくても、そういうスキルを身に付けたいと思うはずです。
吃音の子どもへの学習支援だけでなく、子どもだけでなく、家族などの大人への支援や、吃音を話すことが困難な人への中度言語聴覚療法も行い、これまで指導してきた吃音者でも、就職した人、大学院に通って、臨床心理士、作業療法士の資格を取得した人など、吃音者の活躍の場を拡げています。ただ、吃音者でも、さまざまな職業についていますが、吃音が問題になる職業は多くありません。
吃音の子どもの予後について理解しておくメリット
吃音の子どもの予後について理解しておくメリットは、小学校高学年ともなると、家庭で保護者が声に出して言うことで、子どもの吃音への理解が深まり、回復へのきっかけとなる可能性がある点です。
子どもにとって、話すこと、声を出すことは大事な機能ですが、発達過程において、自分の気持ちや意思を発声できない状態(吃音の状態)が続くと、そのような発声機能や言語機能の発達がうまくいきません。吃音とは、本来、言葉が出づらい状態ですので、子どもにとって、気持ちを発声できない状態は、息苦しいものです。
子どもは大人を正しく映して、気持ちを表現する能力が低くなります。その子どもが、保護者に対して、適切な言葉で表現し、気持ちを伝えることができれば、子どもにとって、社会の中で居場所を見つけやすくなるでしょう。
吃音は、その程度で治ることもありますが、子どもの将来のために必要なことは、早期発見、早期治療です。気になる場合は、子どもの言語発達に先行した、心理的困難などがないか、保護者の理解も必要となるでしょう。